子どもが主役の幼稚園 子どもが主役の幼稚園
はこぶね3月号 卒園記念

2025年3月の聖書の言葉

わたしはあなたと共にいる。

イザヤ書43章5節 (旧約聖書 1130ページ)

 

 私が徳育幼稚園の園長に着任したのは、4年前の2021年4月でした。あの頃は2019年以来の新型コロナウイルスの感染が拡大し、パンデミック(世界的流行)が恐れられていました。

 コロナ禍は私たちの日常生活に大きな変化もたらしました。空気感染を防ぐために厚生労働省が、密閉・密集・密接の「三密」を避けることや、手や指の消毒を訴えました。またソーシャルディスタンス(社会的距離)と言って、人と人との距離を2メートル以上あけようと勧めました。

 しかしそんな制限が強調されるあまり、感染の心配以上に、人と人との思いや心も引き離されやしないかという不安もありました。ノーベル賞受賞者の山中伸弥氏は、ソーシャルディスタンスを「思いやり距離」と訳し、身体は離れても相手を思う気持ちは変わらず、お互いに対する思いやりを持っていようと呼び掛けました。

 コロナ禍の体験を通して、私たちは改めて、人と人との距離感について考えるようになりました。そして「密」を避けつつも、互いに思いやりを持って寄って、安全に「共に過ごす」生活を求めていました。

 職場への通勤混雑や職場での集合を避けるために、オンラインのテレワークによる在宅勤務も広く行われ、自宅で家族と過ごす時間の尊さを改めて考えました。

 「わが家」とは何でしょう。どこにある家か、都心か郊外か、戸建てかマンションかなどの問題ではなく、「誰と共に住む家か」です。どんな場所にあっても、どんな建物でも、大切な人たちと共に暮らす場所なら、それが自分が帰宅して一番安心できる「わが家」なのです。

 紀元前6世紀のイスラエルは、民族の危機とも思われたバビロン補囚の最中にありました。しかしそこで預言者イザヤは、神の口から聞いた解放の希望を語りました。それが表題の言葉です。聖書の本文は「恐れるな」から始まっています。当時それほどに恐ろしい事態が起こっていたのです。しかしイザヤは、そんな状況の民に寄りそう神の言葉を語りました、「恐れるな。わたしはあなたと共にいる」と。

 徳育幼稚園はこの1年、「共に」いて下さる神さまを中心に、20人の仲間たちが「共に」過ごしてきました。7名のゆり組さんは卒園しますが、ここで共に過ごした仲間たち、その場所と時間はいつまでも覚えていてほしいです。

 そんなみんなには、いつも神さまが、「恐れるな。わたしはあなたと共にいる」と言って下さいます。                 園長 大村 栄